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東京都特派員ブログ

戸栗美術館 開館 35 周年記念特別展 『初期伊万里・朝鮮陶磁』

2023年01月26日

有田観光協会 at 12:00  | Comments(0)  | 東京都特派員
今回は、開館 35 周年を迎えた戸栗美術館にて「初期伊万里・朝鮮陶磁」展が開催されていたので、行ってき
ました!



戸栗美術館は、創設者戸栗亨氏によって「古伊万里のコレクションで日本一になる」という目標のもと開館されました。
そして、現在も日本で数少ない陶磁器専門の美術館として鍋島家屋敷の跡地である渋谷区松濤の地で活動されています。

展示されている作品は、戸栗亨氏が長年に渡り蒐集された陶磁器のコレクションの数々であり、伊万里、鍋島などの肥前磁器および中国・朝鮮などの東洋陶磁を中心に約 7000 点所蔵されています。

また、陶磁器専門の美術館だからこそできる一段上の知識・情報を分かりやすくまとめたパネルが展示されていて、焼き物に造詣の深い方でなくても楽しめるような工夫が施されていました。


開館 35 周年記念特別展の締めくくりとして古伊万里の原点である初期伊万里の魅力を約 80 点の作品とともに紹介されていました。

また、戸栗亨氏が愛した朝鮮陶磁コレクションも約 30 点展示されていました。

今回は、私が選んだ 5 つの作品をブログの中でご紹介したいと思います!


染付 吹墨白兎文 皿
伊万里
江戸時代(17 世紀前期)
口径 21.0㎝
戸栗美術館所蔵


染付 菊亀甲文 皿
伊万里
江戸時代(17 世紀前期)
口径 21.7㎝
戸栗美術館所蔵


白磁 皿
朝鮮
朝鮮時代(15 世紀後半)
口径 21.7㎝
戸栗美術館所蔵


青花釉裏紅 将棋駒
朝鮮
朝鮮時代(19 世紀)
径 3.0~4.5㎝
戸栗美術館所蔵


どの作品も、江戸時代やそれより前の時代に作られたものです。これらの作品が現在でも見られるというこ
とに感激すると同時に、当時の職人さん達の技術の高さ、その当時を生きる人たちの暮らしぶりなどを作品
を通して感じることができ、まさに「タイムスリップ」したような時間を過ごすことができました。
私は、今年の干支である兎の絵柄が吹墨の技法によって描かれていた作品が印象的でした!



染付 有田職人尽くし図 大皿
中村公法
平成 9 年(1997)
口径 59.2㎝
戸栗美術館所蔵

※ちなみに「職人尽くし」の江戸時代に作られたものは、佐賀県の重要文化財に指定されていて
有田陶磁美術館に所蔵されています!(by有田観光協会)


現在私たちが使っている焼き物は、過去の先達の残した技術や技法のもとに支えられていて、今の職人さん達はその上に自分なりの技術や技法を上乗せして未来へバトンタッチしようとしている。
そんな 400 年を超える伊万里・有田焼の歴史の上にこれからの未来の職人さん達がどんな思いや熱を乗せて、その結果どんな焼き物が生まれるのか。
そんな未来の焼き物の姿を考え、ワクワクした時間となりました!

ぜひ、皆さまも機会がありましたら見ていただけると嬉しいです!

(画像提供:公益財団法人 戸栗美術館さま)


『開館 35 周年記念特別展 初期伊万里・朝鮮陶磁』
【会期 】 2023 年 1月15日 (日) ~ 3月26日 (日)
【会場 】 戸栗美術館 東京都渋谷区松濤 1-11-3
【開館時間】 10:00 ~ 17:00(入館受付は 16:30 まで) ※ 金曜・土曜は 10:00 ~ 20:00 (入館受付は 19:30 まで)
【休館日】 月曜・火曜 ※ 3 月 21 日 (火・祝) は開館。
【入館料 】 一般 1,200 円 / 高大生 500 円
【交通 】渋谷駅ハチ公口より徒歩 15 分・地下鉄 A2 出口より徒歩 12 分・京王井の頭線神泉駅北口より徒歩 10

【同時開催 】 『伊万里焼誕生物語』(1 階やきもの展示室)
伊万里焼誕生から日本の一大窯業地に至った歴史的背景を出土品や文献から探ります。
陶祖の系譜 である十四代李参平氏の作品も展示。現代に繋がる技術の “ 原点 ” に迫ります。

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